被削性改良鋼板
この規格は一般構造用圧延鋼板のうち、とくに被削性を要求される金型などに用いる被削性改良鋼板の抜粋
記号 | 化学成分 % | ||||
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C | Si | Mn | P | S | |
MAC | - | - | - | - | - |
SS400-MAC | ≦0.20 | ≦0.40 | ≦1.20 | ≦0.045 | ≦0.045 |
記号 | 引張試験 | |||||||
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降伏点又は耐力 N/㎟ | 引張強さ N/㎟ |
伸び | ||||||
厚さ mm | 厚さ mm | % | 試験片 | |||||
t≦16 | 16<t≦40 | 40<t≦100 | 100<t | |||||
MAC | - | - | - | - | - | - | - | - |
SS400-MAC | 245≦ | 235≦ | 215≦ | 205≦ | 400-510 |
5<t≦16 16<t≦50 40<t |
17≦ 21≦ 23≦ |
1A号 1A号 4号 |
記号 | 曲げ性 | ||
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曲げ角度 | 内側半径 | 試験片 | |
SS400 SS400-MAC |
180° | 厚さの1.5倍 | 1号 |
1. 特長
① 被削性 | SS400をベースにSを適量添加しているため、被削性が非常に優れております。 |
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② 機械的性質 | SS400として、なんら遜色のない使用性能を有しております。 |
③ 経済性 |
被削性に優れているため、工具寿命の延長・交換頻度の減少など コスト・ダウンが図れます。 |
2. 特性例
① 化学成分
記号 | 板厚 mm |
化学成分 % | ||||
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C | Si | Mn | P | S | ||
SS400 SS400-MAC |
32 32 |
0.11 0.09 |
0.22 0.26 |
0.55 0.72 |
0.012 0.012 |
0.008 0.028 |
② 機械的性質
記号 | 板厚 mm |
引張試験 | 曲げ試験 | ||||||
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降伏点 N/㎟ |
引張強さ N/㎟ |
伸 び % |
試験片 | 曲げ角度 | 曲げ半径 | 結果 | 試験片 | ||
SS400 SS400-MAC |
32 32 |
266 274 |
429 425 |
31 32 |
1A号 | 180° 180° |
1.5t 1.5t |
良 良 |
1号 |
③ 被削性
1)被削性の冶金的因子
冶金的な面から被削性を工具寿命で評価すると、C量は工具寿命の極大値があらわれ又、S量及び軟質可塑性の介在物量は比例関係にあり、これらによって工具寿命が、定性的に整理できます。これは硫黄快削鋼や低炭素快削鋼などで実証されています。
2)被削性試験結果
被削性を評価する指数としてVL1000(m/min)を用いました。
VL1000とは、1,000mm長の穴明けが可能なドリルの切削速度で、数値が大きいほど被削性は良好です。VL1000は主にC・Sによって支配されます。SS400として必要な材質(内質、曲げ加工性・溶接性など)を充分に確保した上、被削性を向上させる様に成分設計しました。尚、被削性は次式に示すドリル寿命予測式にて評価できます。
VL1000=367.2S+56C+7.4(但し0.05≦C≦0.20%)
ドリル寿命予測式にて整理すると下図のようになります。
製品の主な特長・使用用途
あらゆる場面で広く使われている鋼板です。こちらの鋼板が使われている用途は以下の通りです。
建設機械、産業機械、工作機械、機械部品、金型、製缶部品、工場設備、産業車輌、土木、橋梁、船舶、建築、その他